新田クリニック 院長 新田長生コラム

医療法人社団 健成会
新田クリニックの院長 新田長生(整形外科医)
大平山不動寺住職 新田光照 のコラム。
祝. 10周年  Medical Fitness SUBARU
メンバー様のお陰でメデイカルフィットネス昴も10周年を迎えました。心から感謝申し上げます。これからもスタッフ一同皆様の健康と体力増進に微力ながらお手伝いさせていただきます。
医療法人社団 健成会 理事長


これからしばらく 私(理事長)の独り言・・・
 
Dietの語源はギリシャ語の「diata」だろ。意味は「生活仕様」。つまりダイエットや運動は「生き方」そのものなんだ。だから決してONとOFFで考えてはならない。「今日…今日だけがんばるんだっ…! 今日をがんばった者…今日をがんばり始めた者にのみ…明日が来るんだよ…!」「やれば出来る子」は出来てない子なんだ。いつやるの?いつもでしょ!!。何事も「明日から〜」そう言うやつに「明日はない。」丸くなった”は性格だけに。「もっとポッチャリして欲しい」はオードリーヘップバーンにだけ許されると思うんだよねー。
 太る人は「食べてないのに〜」が常套句になっているけど、人間、一夜にして太るわけないだろ。一夜にして痩せる事もありえないじゃん。フィットネスの効果がないのではなく、効果が出るまで継続していないだけなのになー。太るほど絶対食べているっていうの!無意識ほど怖いものはない。動物も鳥も魚も、あなたの体脂肪になるために命を落としたわけじゃないんだ。
 5キロ痩せるには10キロ痩せる努力が必要。ところが多くの人は、どうにか2キロの努力で痩せられないものかと考える。その強欲さのおかげでそこまで太ったことに気づいていない。あなたが痩せてスマートになっても誰も困らない。 もし困る人がいるとするならそれは太っているあなたを見て笑いのネタにして陰でしか悪口を言えない心の狭い人だけだよ。そんな人達のくだらない楽しみなんかぶち壊しちまえ。「○○するといいよ」 「××は効果ないよ」 他人の無責任な助言ほど無意味でくだらないものはない。 「ノーペイン、ノーゲイン」って言葉知ってるかい?結果が欲しければ苦痛に耐えろ!『過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。』 俺はスバリアンたちを信じているよ!そしてスバリアンたちよ!、君たちは共に流す汗だけを信じよ!!
 でも結果を出すのは辛く、困難だよな。そんな時はこう思うのさ。
カッコ付けまくるのが1番! もっともっと自分を好きになれよ!なりたい自分に、なれないまま死にたくないだろ? 一生に一度でも、なりたい自分になろうぜ! 人生を無駄にしたくない、だって 一度限りの人生だもの、by たけお
人間、その生涯を食べて運動もせず痩せるのなら、それは病気。 病気とデブと痩せる努力、どれを選びますか?その老い方が、健康で生きていくのか?それとも、苦しんで生きていくのか?
どちらがいいの? 健康でカッコよく生きるために、努力する集団。それが スバリアンさ!
そんな考えの仲間たちが一人でも増えていけば、街自体がもっと活気のある明るいものになるのになー! 
独り言です。気にしないでください。あーすっきりした。
| 院長:新田長生のコラム | 12:44 | - | - | ↑TOP
激励!スバリアン達
 

メデカルフィットネス昴開設6周年を迎えることが出来ました。月刊情報誌SUBARIAN STYLEの本紙面をお借りしてメンバー様各位に御礼申し上げます。

2011.3.11 日本人、とりわけ我々東北人にとって決して忘れることのない大災害を経験しました。まだまだ被災地は復興には程遠い状況が続いておりますし、被災人の心には深い傷跡を刻む結果となりました。幸いスバリアンに直接被災者は発生しませんでしたが、友人・知人で被災された方は多かったのではと推察します。

大震災以降しばらくは燃料不足等クラブ運営上、会員の皆様にも少なからずご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。スタッフ一同、早期にフィットネスの復旧を可能にすべく努力し、皆様の運動不足を最小限にとどめられたと思っています。我々は上山市で受け入れた避難者に対し、市および医師会の依頼を受け、週2〜4回の避難所での健康維持のため運動療法やエコノミー症候群予防エクササイズ指導をボランテイアデで行ってきました。これまでに培った経験・知識を避難者に提供できましたことはスタッフにとりましても新たな指導者としての自覚と責任を喚起できたと思います。

隣の県では自動車で1時間もかからないで行けるところなのに何千人も亡くなり、まさに地獄絵図といった様子であります。我々は命、人生、死というものを考え直し、命に感謝!人生を充実したものに!死を悔いなく迎えるため!健康的に生きる義務があります。こんな時期だからこそ健康が大事なのです。働ける、元気な身体と健全な精神にしておかなければならないのです。何よりも元気に働き、生き生きとした人生を歩んで欲しいのです。我々健成会スタッフ一同、エネルギッシュな人生を歩みたいと願う方々を今後も応援していきます。

Enjoy fitness life !!

 

(医)健成会理事長  新田 長生

| 院長:新田長生のコラム | 16:05 | - | - | ↑TOP
東日本大震災被災者および福島原発避難者へお見舞い
 3月11日午後2:46 発生しました東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0という国内観測史上最大、世界でも最大級となる巨大地震でした。さらに島国日本にとって避けがたい続発した津波被害。この追い討ちをかけて発生した巨大津波も想定をはるかに超えたものであり、東北地方を中心に関東におよぶ太平洋沿岸部に暴虐の爪痕を残しました。また、地震による福島原発の機能停止そして爆発まで続発し、放射線漏れによる被曝災害も今なお国民の恐怖心を大きくしております。

大震災の被災者および福島原発避難者の方々には心よりお見舞い申し上げます。また、このたびの震災でお亡くなりになられた方たちに衷心より哀悼の意を表します。

 想像を絶する悲劇、数えきれない各地の悲劇、直前まで美しいリアス式海岸の町の悲劇、悲劇…ですが、これはまぎれもない現実です。私たちは被災者たちとともに手を取りあい、前を向いて進まなければなりません。(医)健成会も翌3/12には宮城県名取市のほうへ知人を介して支援物資を運び入れました。また、3/24からは上山市体育文化センター避難所における医療・メディカルチェックの活動を私と看護師で開始。加えてメディカルフィットネス昴のトレーナースタッフによる避難者を対象とした運動療法指導を開始しております。微力ではありますが、我々も復旧、再興、そして避難者の健康維持のため努力を惜しみません。(医)健成会では義援金も募っておりますのでご協力お願いいたします。


Cheer up Japan! がんばれニッポン!
| 院長:新田長生のコラム | 10:07 | - | - | ↑TOP
仏教的介護のお諭し
しばらく前から介護審査員なるものを医師会から依頼され、審査を行っております。
要支援・要介護の申請に対する必要性と介護度の認定を行うための審査会です。
審査を続けておりますと、年々、超高齢者社会の加速度的進行と現社会のもつジレンマを医療・介護を通して否応なしに垣間見ることになります。二人暮らしの高齢者夫婦が一方の介護に疲れ、精神的苦痛によって伴侶を殺して自分も命を捨てたり、親子でも親の介護に疲れ果てた末、同様に親を殺して子供も自ら命を絶つなどのニュースも珍しくなくなってきております。
 いかなる理由があるにせよ、天から授かった命を自らの手によってつめることはもちろん好ましくありません。しかし、現実問題として介護の実態を知れば知るほど、当事者の皆さんのご苦労とご悲嘆のほどを想えば、簡単にこれらの痛ましい出来事を非とすることはできません。
 仏教の教えでも お釈迦様の「介護」についてのおさとしがありますのでご紹介します。

看とる心 (お釈迦様の教えより)
一、食物を選ぶべし(介護を要する人の食事に心を尽くしているか)
二、良薬を与うべし(医師と相談し、治療をしっかり行っているか)
三、便、唾、吐をいやしむなかれ(介護にあたり汚いなどと思ってはいないか)
四、先に起き後に臥すべし(自分の睡眠時間をつめて介護にあたったか)
五、己の飲食をむさぼらず(自分の食事のほうを満たしていないか)
六、悪口・罵哩に応うることなかれ(何を言われても腹を立てなかったか)
七、病者の学べるところを讃むべし(できるようになったことを褒めて讃えたか)
八、尽くして捨てず(介護も病人も捨てなかったか)
九、快癒を共に喜ぶべし(病状がよくなると共に喜んだか)
十、死病を語るべからず(助からない病であることを口にしなかったか)


大平山不動寺住職  新田光照
| 住職:新田光照のコラム | 19:41 | - | - | ↑TOP
メディカルフィットネス昴 開設3周年の御挨拶
2008年7月、メデイカルフィットネス昴開設3周年を迎えることが出来ました。2006年3月発行の本誌:月刊情報誌SUBARIAN STYLEの紙面をお借りしてメンバー様各位に御礼申し上げます。
 昨年2007年からはメンバー様とスタッフ中心で構成した野球チーム
プレアデイーズも旗揚げし、毎週早朝練習を行っております。今年は順調に
上山市の予選を勝ち抜いております。勝敗の結果はSUBARIANで随時ご報告しますので応援宜しくお願いします。
 また、昨年は上山市「花笠祭り」にも健成会スタッフ一同とメンバー様の混合チームでオリジナルの振り付けをひっさげて初参加し、いい汗をかきました。地域に根ざした、地域の方々のためのフィットネスクラブを目指し、今後も積極的に各種イベントに参加していく予定です。
 今年はご存知の通り、検診体系が一変し、これまで市で実施してきた基本健康診査はなくなり、ご自分の加入している医療保険者が特定検診と銘打って案内・実施する形になりました。検診項目内容から「メタボ検診」といわれるものです。もちろん (医) 健成会新田クリニックにおいてもこの検診を受けることが出来ます。検診の結果、メタボリックシンドローム、またはそのリスクのある人と判定されたら、特定保健指導を受けなければなりません。
(医)健成会新田クリニックおよびその付随施設であるメデイカルフィットネス昴はその開設当時よりこういう時代が日本でも必ず到来すると確信し、我々スタッフ一同、常に情報を収集し、最新のフィットネス知見や生活習慣病予防策などを勉強して、メンバー様をはじめとして地域の方々に対し、生活習慣病予防における運動療法の重要性を発信して参りました。生活習慣病予防施設としてこの3年間で培ってきた経験と実績をもとに、新たに加わる特定保健指導も責任を持って実施していきます。しばらくは当施設以外に上山市、山形市を含めた医療機関で指導を実施できる施設は他に認められておりません。生活習慣病予防と同様メタボ対策の特定保健指導も当施設が県内での先駆けとなるわけです。これまで以上に我々スタッフは皆様の健康維持のための良きアドバイザーであり、同時に良き理解者であれるよう努力・研鑽を積んで参ります。我々と一緒に「メタボリックシンドローム撲滅元年」とでもいうべき本年を楽しみながら和気藹々と乗り越えていきましょう!
 運動療法は時に苦しさを伴います。結果がなかなか思うようにでずに、モチベーションが低下することもあります。しかし、実践なくして結果も、感動も、喜びも得られません。
 我々スタッフ一同も4年目を迎え、初心に返り、(医)健成会の基本理念である「All for Patients & Users(すべては患者様、利用者のために)」をモットーに今後も医療を通じ皆様の健康維持、疾病予防の手助けに努力を惜しみません。
 「メデイカルフィットネス昴」は会員制クラブです。メンバーの、メンバーによる、メンバーのためのクラブです。みんなでよりよいクラブに育てて行きましょう。

Enjoy fitness life !!


(医)健成会理事長  新田 長生
| 院長:新田長生のコラム | 15:27 | - | - | ↑TOP
親と子の人間学
『仏説父母恩重経』  前節の続き・・・

 母が、水くみやあるいは炊事、あるいは臼つきなど様々な仕事に従事して、家に帰る時がまだ来ないのに、我が子が家ですすり泣きし喚いて、自分を恋い慕っているのであろうと想像すると、胸騒ぎし、気持ちが動転し、乳房からは乳が流れ出て、耐えられず、そこで仕事を投げ出して家に帰ります。子は遙かに母が来るのを見て、乳母車のなかで頭を揺り動かし、掻きむしり、外にいれば、すぐ腹ばいででてきて、空泣きして母に向かいます。
 母は子のために足を早め、身体を丸め、両手を伸ばし、子の塵や土を払い、わが口を子の口につけながら、乳房を出して乳を飲ませます。このとき母は児をみて喜び、子は母を見て喜びます。二人の気持ちが一つになって、恩愛があまねく行き渡ること、これに過ぎるものはありません。
 二歳になると、子は母の懐を離れ始めて歩き出します。父が教えなければ、火が身体を焼くことを知らず、母が教えなければ、刃物が指を切り落とすことを知りません。
 三歳になると、乳離れをしてものを食べ始めます。父が教えなければ、毒のために命を落とすことを知りません。母が教えなければ、薬が病から救うことを知りません。父母が他家に招かれて、宴席に赴き、美味しい・珍しい食べ物を得ることがあれば、自分たちだけがこれを食べるのには忍びず、懐に収めて持って帰り、子に与えます。十回宴席から帰れば、九回まで土産を持って帰ります。子はいつも歓喜して、笑いながら食べます。子はもしも手違えで、一回でも土産をもらえなかったら、たちまち嘘泣きをし、いつわり嘆いて、父を責め、母に迫ります。
 子が成長して、友達とつきあうようになりますと、父は子のために衣や帯を求め、母は整髪して、親の好みの美しい衣服はみな子に与えて着せ、そうして自分たちは古い着物、破れた着物をまといます。
 年ごろになって妻を求めて、娶れば、父母をとかく疎遠にして、夫婦の間でむつみ合い、私房の中で妻とともに語らい楽しみます。父母が年長けて力が衰えてしまいますと、頼りにするものはただ子供だけであります。頼みにするのは嫁だけであります。そうであるのに、息子夫婦はともに朝から夕暮に至るまで、未だに一回も両親を訪ねて声をかけることもありません。
 あるいは妻に先立たれた父や、夫をなくした母が、独りで空房を守っているのは、あたかも一人旅の客が宿屋に泊まっているようなもので、いつも慈しみの思いやりなく、または談笑の楽しみがありません。夜中になって、寝床は冷ややかで身体が休まらず、ましてや、衣のノミやシラミが多くいて、朝まで眠れないこともあります。独り言することには「ああ、私にはどのようなあの世からの罪があって、この様な不孝の子を持ったのであろうか」と。
 用事があって子を呼べば、目を怒らせて親をののしります。嫁もその子もこれを見て一緒にののしり、ともに辱め、下を向いて笑いをこらえます。嫁もまた不孝、その子もまた不順であります。夫婦がなれ合って五逆罪をつくります。
あるいはまた急に用事を伝えることがあって、呼び寄せて言いつけようとすると、十回叫んでも九回は無視し、やっと来ても用事はせず、かえって怒り罵り言うことには、「老いぼれてこの世に残るより、はやく死んだほうがましである」と。父母はこれを聞いて、恨みつらみで胸がふさがり、止めどなく涙がこぼれ、まなこは暗く、心は惑い、悲しみ叫んで言うことには、「ああ、お前は幼かったとき、私でなければ養ってもらえなかった。私でなければ育ててもらえなかった。そして今になってみるとこのありさま、ああ、私がお前を生んだのは、もとより生まなかったのに及ばない。」
 もし子がいて父母に、この様な言葉を発せさせたなら、子はそのとき、その言葉とともに地獄・餓鬼・畜生の中に落ちます。
 一切の如来さまや金剛天、優れた力をもつ五通仙もこれを救済出来ません。父母の恩の重いことは、天の極まりがないようなものであります。
 
 2回にわたり、親子の人間学と題して、父母恩重経をとおして、現代失われがちな親子愛を考えてみるのも必要とおもい、書いてみました。
 
      
            
大平山不動寺住職   新田 光照
| 住職:新田光照のコラム | 17:50 | comments(18) | trackbacks(0) | ↑TOP
親と子の人間学
 つい先頃年頭のご挨拶をしたと思っていましたら、2007年もあっという間に上半期が終わろうとしております。夏服に衣替えもし、初夏の青空が心晴れやかな優しい気分にしてくれています。しかし、一方では連日のように子が親を殺してしまうニュースが後を絶たず、しかもバラバラにしてしまうなどその残虐さには身の毛がよだつほどの恐ろしさをおぼえます。
 最近の親と子の人間関係はどうなっているのでしょう。そして今後どうなっていくのでしょうか? 日本の家族制度が崩壊し、以後それに伴う高齢者介護、鍵っ子、家族を捨てネットカフェで寝泊まりする父親までも出る始末、その他にも数々の弊害が出てきて、家族関係のあり方が今まさに問われているように思えます。
 いつの時代も親が親であり続けるわけではなく、子が子で居続けるわけでもありません。はじめは誰もが子供であり、その子供がたった数十年で誰もが親になるのです。時代が変われどもこの連鎖は変わりなく現代まで続いているのです。第二次世界大戦前の我が国では、子殺し・親殺しといったような常識では考えられないような尊属殺人はみられませんでした。ではなにが変わったのでしょうか。社会構造?経済不安?教育方針の変遷?・・・・・・?
 時代がどんなに激しく移り変わったとしても、産まれた子供が母親を慕い求める慕情には変わりありません。子供が成長する過程において、母親の愛情と保護とに包まれていることが必要ですし、その子の一生の人格形成の基礎になるものは父親の人間的な厳しい知性も必要だと思います。しかし、この頃では厳父・慈母というイメージはだいぶ変わってきているのは事実です。威厳のない父親・母性喪失者の母が増えているのではないでしょうか。
 仏教の経典に「仏説父母恩重経(ぶっせつぶもおんじゅうきょう)」というものがございます。この経典は大乗仏典の一つで、中国で先述されたものです。ここでいう仏とは「お釈迦様」であり、その弟子である「阿難」に対して、父母の恩の重さを説き、子供がその恩に報いることの大切さを説いたものです。この教典の中に人間の親子関係で 時が変われども変わらぬ真実の愛情を見いだせると私は思います。悲惨な親子間での殺人や人間性を微塵も感じられないような犯罪の消滅を祈りつつ、一父親としても改めて勉強する意味でしばらくの間、この仏説父母恩重経の現代語訳をかいつまみ紹介したいと思います。

『仏説父母恩重経』

 以下のように私(阿難)は聞いております。あるとき世尊(釈迦)は王舎城の郊外にある山の中に、菩薩・声聞の方々とともにおりました。比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・天人・人間・竜神・鬼神などが、法を聞こうと集まり、一心に仏を囲み、瞬きもせず、尊いお顔を仰ぎ見つめておりました。
 このとき世尊はすぐさま法を説いて仰せられました。
「一切の善男子、善女子よ、父には慈しみの恩があり、母には自分を忘れ育てていただいた恩があります。そのわけは、人がこの世に生まれるのには、前世からの業を原因として、父母を縁とします。父がいなければ生まれません。母がなければ育ちません。ここをもって生気を父の胤(たね)にうけ、形を母の胎(はら)に宿します。この因縁がありますから、憐れみ深い母が子を思うことは、世の中で比べるものなく、その恩は形になる前から始まっているのです。
 はじめに胎の中に子を宿してから、母親は十月を経る間に、進むもとどまるも、座っても臥しても、子とともに苦しみ、悩みます。苦しみ・悩みに休みはなく、好きな食べ物・飲み物・衣服を得ても、愛欲の想いがおこりません。ただ一心に安らかなお産をしたいと願っています。
 月満ち日が足りて、出産のときに至ると、業風(むくいの風)がふいてお産を促し、骨節がことごとく痛み、その苦しみには耐えられません。父も身と心がおののき恐れて、母と子とを憂い、諸々の親族もみなことごとく苦しみ悩みます。無事に生まれると父母の喜びは限りなく、あたかも貧しい女性が如意の珠を得たようなものであります。その子が、産声をを上げますと、母も初めてこの世に生まれ出たようなものであります。
 それから、子は母の懐を寝所となし、母の膝を遊び場となし、母の乳を食物となし、母の情けを生命(いのち)として育っていきます。飢えたとき、食べ物を求めるのに、母からでなければ食べず、渇いたとき、飲み物を求めるのに母からでなければ飲まず、寒いとき、服を重ね加えるのに、母からでなければ着ず、暑いとき、衣を脱ぎさるのに、母によってでなければ脱ぎません。
 母は飢えているさなかでも、口に含んだものを出して子に食べさせ、母は寒さに苦しんでいるときでも、着ているものを脱いで子に着せます。母でなければ養ってもらわず、母でなければ育ててもらわず、子が乳母車を離れるようになると目が離せない母は、両手の爪の中に子の穢れものをとって始末してしまいます。推し量ると、人が母の乳を飲むこと、180石(32400 リットル)といいます。父母の恩の重いことは、天の極まりがないようなものであります。
 
次節は次回に・・・
 
            
大平山不動寺住職   新田 光照
| 住職:新田光照のコラム | 14:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
生きる
年が改まり、2007年が皆様にとって輝かしい実りのある年になることを冒頭にお祈り致します。
 さて、昨年はどんな年だったでしょうか?1年を象徴する一文字は「命」でしたね。確かにメデイアを通じて、親が子を殺め、子が親を殺め、多くの子供達がいじめを苦に自ら命を捨て去り、ある国では核兵器での大量致死兵器を開発し、世界各地でテロリストが無差別殺人を繰り返し・・・、毎日毎日こんなことばかり耳にしていたように思えます。昨年における命の一文字は奪い去られた、捨てられた、蔑ろにされた「命」に他ならないものでした。今年は同じ「命」でも生きる「命」にしていかなくてはなりません。
 以前、四苦八苦のお話をコラムに載せました。人間の苦しみは「生苦」つまりこの世に生を受け、生まれることから既に始まるのだと。それでは、何故人は生きるのか?この問いに答えはあるのでしょうか?あるお坊さんは
「何故生きるのかと悩み、生きる目的を考えながら、その答えを探しに生まれてきたのだ。」とおっしゃいました。私も同感です。が、あまりにも抽象的かつ宗教的なことばで難しく理解しがたい人も多いのではないでしょうか。私はお寺での説法の時に、参拝者にお話しするのは、「生きる」とは「人のために生きること」「社会のために生きること」である。と申しております。決して自分自身のためだけに生きているのではないのだよと。自分中心に命を考えたらその瞬間から、人より幸せに、人より健康に、人より裕福に、人より長生きして・・・と生きることが欲望の一つになり、その欲望自体が苦しみとなり、生苦の苦しみから逃れられなくなってしまうのです。誰しも人間生活の中で人にお願いされたり、協力を促されたりしているはずです。逆に自分だけでは生きていけませんので、人にお願いすることも当然あるでしょう。仕事もそうです。人のため、社会のためになっていない仕事なんてありません。自分に与えられた役割を果たすために日々努力し、人にしていただいたら感謝して、人は生きているのです。健康・病気に関しても似たようなことがいえると思います。
健康の「健」は「人」を「建てる」のです。人のために生きてこそ、自分も健康でいられるのです。同じ病気・病状であっても、自分の病気を自分中心に考えながらただ辛い、苦しいと生きている人と、あの人も同じ病気で苦しんでいるんだ、自分ならその苦しみがわかるから少しでも理解してあげられるな、話だけでも聞いてあげればあの人も少しは楽になるかな?と考える人とでは、同じ病気・病状のはずなのに心と体の健康度合いは雲泥の差があると思うのです。 
    人のために生きてこそ、尊い命が生かされるのです! 
 
            
大平山不動寺住職   新田 光照
| 住職:新田光照のコラム | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
四苦八苦
 日々の生活の中で、我々の周りにはさまざまな苦しみがあります。その中でも病気による苦しみ「病苦」は身体的にも、精神的にも多くの苦しみを招きます。仏典では「苦厄」は基本的に「四苦八苦」といわれております。
「四苦」とは 生苦・病苦・老苦・死苦からなります。
1) 生苦・・・生まれ、生きることは自分の意志に逆らうことから生じる苦しみ。
2) 病苦・・・病むことは多くの苦しみを招きます。
3) 老苦・・・老いは多くの苦しみを招きます。
4) 死苦・・・死は自分の意志に逆らい、多くの苦しみを招きます。
以上の四苦に次の四苦を足して「八苦」といわれます。
5) 愛別離苦・・愛する人と別れねばならない苦しみ。
6) 怨憎会苦・・嫌な人とも一緒に居なければならない苦しみ。
7) 求不得苦・・欲しいものが得られない、思うようにならない苦しみ。
8) 五蘊盛苦・・心と身体が盛んなために心が落ち着かずさまざまな苦を招きます。
 このように苦厄を列記してみますと、生苦以外は自分の努力や周囲の人たちの助けによって幾分軽減できる苦しみかなと思えてきます。
 病苦は如何に病気と仲良くつきあえるか。病苦を分かち合える人間が周囲にいるか。自分だけが苦しいわけではないと思えるか。などによってずんぶんと苦しさの軽重が変わってきます。
 人間だけではなく生きとし生けるものすべては老いを止めることはできません。しかし、同じ年齢でも精神的に若々しい人は老いではなく、人生の先輩として、後進のものの目標・あこがれの存在になります。 
 また、老いと同様に生物学的(身体的)に死は避けては通れません。避けて通れないのであれば、如何に死を迎えるかを考え、受け入れ、そして準備をするかが重要となってきます。
 生まれたったその瞬間から死までいろいろな苦厄にぶつかりますが、それはこの世に生をいただき、いまも生かされているという両親・家族に対する感謝、社会において一人では生きていけない事実を受け入れ、他人に対する感謝、をもつことで乗り越えられるものです。そして、これらの苦厄を克服したとき、それは自分の成長となっていくものと思います。


大平山不動寺住職   新田 光照
| 住職:新田光照のコラム | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
病は自分で治す?〜心と自然治癒力〜
このコラム欄では、院長のもう一つの顔である、真言宗寺院不動寺住職の立場から私感を述べていただきます。


 時代の流れによって疾病構造も変わります。最近では生活習慣病という言葉を耳にしない日がないほど現代人の多くの人がこの疾病で悩んでいます。文字通り生活習慣に起因する事が多い病気ですから、治療はなんといってもセルフケアーが中心です。主役はあくまで患者様自身ということになります。治療を成功に導くポイントは如何に患者様本人が病気を理解し、体質改善にむけて意欲を引き出し、それを維持できるかにあります。それにはコミユニケーションをとって普段の生活習慣を把握することから始まります。人と人とのコミユニケーションには「心を開く」プロセスが大事です。我々と患者様が互いに心を開き、心を一つにして病気と向き合うことが出来たなら、どんな病気であってもうち勝つことが出来るのです。医療従事者の心-患者様の心-医療技術 が三位一体とならなければいけません。密教においても 心密・口密・意密(これを三密といいます)といって心に仏を想い、口に真言を唱え、威儀を正し、印相を組み、本尊と自分の心が一体となったとき、すさまじいエネルギーが共鳴して加持祈祷を可能にするのです。患者様と病気に立ち向かうとき、仏教における三密の大事がいつも頭をよぎります。
 身体の病は医療技術を施せばそれで治るというものではなく、内側にある心とのつながりを軽視しては語れません。人間にはもともと「自然治癒力」が備わっています。この自然治癒力は免疫力を高めることでよりいっそう活発になりますが、心の状態によって発揮されたり、減退したりと大きく違ってきます。不安を抱えていたり、落ち込んでいたり、いわゆる心が健全な状況でないと自然治癒力はどんどん減退し、治る病気も治らなくなるのです。病は自分で治すものといっても過言ではないでしょう。

大平山不動寺住職   新田 光照
| 住職:新田光照のコラム | 14:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP